梅雨入りが始まる6月の研修会では、『火の技法』という“治療の気”を身に付けることができる特別な月です。
火の技法とは、文字通り、“火の気”のことです。よくマンガやSF映画などで、ヒーローが悪者に対して手からボッと勢いよく火を出すシーンがあります。
自分勝手な想像ですが、火の技法は、それに近い感じなのかな?
ヒーロー気分で,一人ニンマリした覚えがあります。
とは言え、AST気功では、映画とは違い、その対象は患者さんです。
それではいったい”火の気”で何を燃やすのかと言うと、その中心は〖薬害〛です。
慢性病や重い病気のために長期に亘り強いお薬を飲用している場合や、抗がん剤治療などで体内の残留した薬害を燃やすのです。
肝腎要と言いますが、肝臓、腎臓は薬害で負担が一番掛かる臓器の代表です。さらに全身の血液血管もその対象です。吐き気や胸や胃のムカムカ感、頭痛や下痢や便秘、あるいは、手や足先のしびれ、不眠など、薬害による副作用は多岐に渡り、深刻です。例えば、抗がん剤を受けておられる患者さんには、全身の血液や血管、肝臓や腎臓に集中して火の気を掛けていきます。これにより、体内に残留している薬害を燃やします。症状がひどい場合には、30分ほど燃やし続けることもあります。次第に施療前には患者さんの青白い顔色が、ピンク色に代わっていくのが見てとれます。施療後は食欲が戻ったり、熟睡できるようになります。 最近、食品に含まれる添加物や保存料などで、アレルギーなどを起される方も少なくありません。何かを摂取してアレルギーが突然出てきたという場合に、この火の技法を全身に掛けます。アレルギーが出ていなくても、未然に防止するという目的で掛けたりもします。
香害と火の技法
最近“香害”という言葉がちょくちょくメディアなどで見かけるようになりました。いわゆる洗剤や柔軟剤に付いている揮発性有機化合物などの香りによる症状です。“化学物質過敏症”ともいわれます。
洋服から漂う柔軟剤などに使われる香りなどを嗅ぐと、唇がしびれたり、咳込んだり、頭痛、吐き気、鼻水、喉のヒリヒリ感や喘息症状などが現われる症状です。
私は仕事上香りの類いは身に付けることを避けています。それでも通りすがりに、さりげなく気持ちを華やかにしてくれるような香りに出会うと幸せな気分になります。一方、全身に強い香りを身に付けた方と同じ車両や一室に居合わせると、その強い香りがその場に充満し、しばらく続くことがあります。
香りは主観的なものですから、好き嫌いがあって当然です。強い香りを身に付けた方と居合わせて、その香りで気分が悪くなったとしても、我慢するしかありません。すぐにその場から立ち去ることができない場合、なおさら辛いものがあります。
そんな時、火の技法があれば、一時的にその場をしのぐことができます。
“火の技法”は、特に血液に作用する力が強いので、アレルギーなどの症状を引き起こす白血球に対しても作用することもできるすぐれものです。
“火の技法”は、この他にも風邪や慢性病などの気功施療には欠かせない縁の下の力持ちのなのです。