/ 10月 21, 2019/ 新着情報, 気功治療

朝夕の冷え込みが激しくなり、すっかり秋のシーズンが到来です。

緑地公園の秋桜も、もう少しで満開です。

夏のジメジメした湿度の高い感じから、一変して空気がカラッと乾燥してきたことにお気づきですか?若い時分にはそれほど気にも留めなかったことでも、この時期のちょっとした変化が、意外にも日々の体調や健康に影響を与えることがあります。
乾燥した空気が体内に入ると、適度な湿度を保っている気管支や喉を乾燥させてしまうことになります。細菌が体内に入り込みやすくなり、風邪やインフルエンザの引き金となります。インフルエンザ菌は湿度のあるところでは生きていられないので乾燥は要注意です(インフルエンザは湿度が嫌い!2018年1月28日ブログより)。また、肌がカサカサと乾いて、痒くてかきむしってしまうことも増えていませんか。

この時期は、低気圧の夏から高気圧に移り行く季節です。
秋に向かい、急な寒暖差や気圧の大きな変化に自律神経系が対応できずに様々な体調不良や症状を引き起こしやすくなるのが要因の1つです。体の調子はまだ夏の暑さで体内の血管が開き、血液の流れはゆったりしています。しかし急な寒さで血管が硬く締まろうとして血流が滞ります。関節や胃の粘膜などに痛みが出てきやすくなります。
また、アトピー性皮膚炎や気管支喘息、花粉症といったアレルギー症状で悩まれる方も多く見られるようになるのもこの頃です。

体は寒さに対応しようとするその反動で、副交感神経系もまた活性化され、硬くなろうとしている血管がむりやり開こうとして関節に痛みが出たりします。
この時期頻繁に発生する台風がもたらす急激な気圧の変化は、てんかん発作や気管支喘息発作の引き金にもなります。台風の極度の低気圧は体のだるさや眠気などが出やすくなったりします。
また夏に発生したダニの死骸や花粉などのアレルゲンなどを乾燥した空気とともに吸入することで、アレルギー症状が誘発されてしまい、かゆみなども引き起こします。
夏の活動的で高揚感から落ち着きを取り戻し、紅葉の美しい季節をしっとりと味わいたいところですが、なかなかそううまくいかないようです。

柿も食べごろです。

10月に入ると当気功センターにお越しになる患者さんにも体調に少し変化が見られます。夏、症状が安定していたにも関わらず、大雨や曇り日が続いたりすると、その前後で体調を崩されてしまう方が見受けられるようになります。
最近、耳の中がベターと張り付いたような気がして、変な感じがする、と定期的に当センターに通われている患者さんが訴えられました。耳の中の症状については今まで言及されたことはなかったので、少し気になりました。

最近、耳の調子が変です。

また、別の患者さんたちにも、台風が近畿に通過する前後には、耳鳴りがひどくなったとか、耳管が詰まる、というような症状を訴えられることが偶然にも重なりました。
ASTでは、まず患者さんの訴えのある箇所を施療します。耳の症状を訴えられた患者さんたちは一様に耳やその周辺、側頭部にかけて反応が強くありました。そこで、その箇所にあるマイナスの気を取り、耳から側頭部にかけての血流を活性化させることを目指しました。また、自律神経系をコントロールする視床下部、脳幹辺りも不定愁訴の症状には欠かせない施療箇所の1つです。

“台風や気圧に大きな変動がある前後”、“耳周辺の症状”、“秋”、という項目で何か関連があるのかと考えていた時、そう言えばということで、「気象病」に思い当たりました。
「気象病」とは、雨や曇り、気圧の変動で体調が悪くなる症状で、先に述べた気管支喘息など以外にも。首の痛みやめまい、耳鳴り、関節痛や神経痛、うつや不安症などが出て来るとされています。現在日本では約1000万人もの人が苦しんでいると推定されているとのことです。その原因に、内耳で受ける気圧の変化を敏感に感じすぎると、それが脳に伝わり、自律神経系を過剰に活性化させるという理論です。(“2019年10月11日東洋経済オンライン”より)

耳の血流が悪い場合に気象病になる傾向があるとのことなので、ASTで耳の血流を活性化したのは理にかなっていたと思います。耳の中がベターと張り付いたような感じと訴えられた患者さんはその後受診された耳鼻科の診察では、聴力が少し落ちていたようですが、特に大きな問題はなかったようです。今は、耳の違和感も消え、聴力も回復してきているご様子です。
慢性的に体が不調だと悩まれている方の中には、この内耳やその周辺の血流の悪さが、長雨や曇り日などが続くことで、自律神経系を刺激して、不快な症状が繰り返し出てくるという場合もあるのかもしれません。

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